2011年9月12日月曜日

サイトの再始動に向けて・電子出版に取り組んでみます


 『ルポ電子書籍大国アメリカ』を読了した。薄い本なので、さらりとよめてしまうが案外と面白かった。
 アメリカの出版社が電子出版をどのようにとらえているのかがよくわかって、とても面白かった。エージェントシステムと、最初にきちんと契約を行っているという点が多いのだろうが、電子書籍の展開は、様々存在する流通チャネルの一つに過ぎなくて、ありとあらゆるチャンスを利用して、販売するチャンスを失わないようにする、という戦略を採っていることがわかった。
 また、本好きとしては、彼らのスタンスのポイントに、一度出す本をそれっきりで終わりにするような消費財にするのではなく、長い間売れ続けるようでなければ意味がないとするようなスタンスが、一番、胸を突く部分があった。そのため、今の出版不況の中の日本のように、1ヶ月で雑誌だか、本だかわからないような新書戦略は、アメリカ人にはちっともわからないのだと言うことがわかった。
 だから、アメリカの科学書ひとつとってみても、とてもしっかりした本が出るんだなと。もちろん、本好きがいることが重要だけど、そういう本を丁寧に売っていくための立場が崩れていない。
 それに対して、日本では、大手出版社と取り次ぎとが、一つのグループになっていて、書店流通を事実上仕切っている。そのために、その既得権益を守るというスタンスが強すぎて、そのために電子出版が、それを崩すのではということに警戒するあまり、読者に様々な形で提供していこうという視点が落ちている。
 そんな内容だった。


 私は自分のやってきたことに失敗をしていると思うことがある。
 自分の同人誌を「コミティア」専売で売ってきたことだ。すでに始めてから2年が経っているが、それはそろそろアプローチとしては間違っていて、いろいろ立ち上がりつつある、電子出版のプラットフォームに、出来るだけ迅速に出していかなければならない。それが正解だということだ。
 自分で、様々なプラットフォームに対応していくことは大変だし、マーケティングもやっていかなければならないのも大変だ。だけど、そういう面倒な作業を誰かに頼むのではなくて、自分自身で展開していくということをしなければわからないことがたくさんあるのではないかと感じるようになっている。
 今、このブログを書いているのは、そのための作業を始めるというためのものだ。
 このブログも長く放置しっぱなしだったが、私なりの「物語」へのアプローチを含めての実験場にしていこうと思う。
 その過程を、ある程度公開していくことで、いつも書いている、ゲーム系の原稿以外のもについての仕事をちゃんと取るために、どういうことをやろうとしているのか、また、その効果測定を他の方とも共有していくような体制を取りたいと思う。
 今の時代は、混沌としているが、だからこそ、いろいろ考えて動くという価値がある。


 まず、そのためには、同人誌として書きためてきている小説の中から「宇治見陽介の眼」などいくつかのものを、電子出版での展開をするための作業をやってみようと思う。どれぐらい売れるのか怪しいものだが、でも、本気で取り組んでみて、自分の手応えを感じながら新しい流通の時代に自分自身も取り組んでみようと思っている。
 アメリカの作家や出版社などが、しなやかに今の時代に適応しているように、私自身もそれに適応できるように、努力をしてみないといけないのだと思う

目指す物は2つ。
・いつまで経っても実現していない(半分は自分が努力をサボっているためもあるが)ゲーム産業で起きている実情をまとめるようなルポを書き上げること。
・同人誌を中心に書いている、小説のような物を、多くの人に読んでもらえるようにすること。

 どちらにしても、多くの方に読んでもらえるような機会を作っていく場として、このページを機能させていきたい。
 当座のところは、まず日本国内の自費出版でリリースできる電子書籍プラットフォームに片っ端から対応させてリリースしてみて、同時に、そこに向けても、物を書くということをやってみることだろう。そして、お金を払って読んでもらえるのかどうかを試すことだと思っている。
 こういうのがチャレンジというのだろう。忙しいから、どうこうというのではなく、自分の力が、筆にあるのであれば、それをきちんと試してみなければならないと思っている。

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